私がめざすのは、
  日本を元気と生きがいのある社会にすること。
  そのためには、あらゆる世代の人々が自分に合った医療や治療法を
  気軽に安心して利用できることが必要です。 
  自立的な健康を手に入れ、生きがいのある仕事と充実した生活を共存させ、
  生き生きと人生を楽しんでいること。
  私はそんなネットワークを創りたい。

  それを実現するためには、『がんばらない、でも、あきらめない』ことが肝心。

  『がんばらない』とは、一生懸命にならないことではなく、
  自分の気持ちや身体からのメッセージを無視してまで
  「仕事」や「他人」を優先しすぎないこと。

  それさえ気をつけて夢をあきらめなければ、
  『本当にどんなにつらいことでも、
  それが正しい道を進む中での出来事なら、
  峠の上りも下りもみんな、
  本当の幸いに近づく一足ずつなのだ』

2006年09月18日

宇宙のみなしご

森絵都。
最近、彼女の作品にはまっています。

「永遠の出口」からはじまって「つきのふね」「DIVE!」「リズム」
「宇宙のみなしご」と9月に入ってから5作品を読破してしまいました。

彼女は、子どもの心にやさしく寄り添い、揺れ動く心、
不安定な気持ちをあざやかに描き出す作家です。

その中でも一番最近に読んだ「宇宙のみなしご」という作品はお気に入りです。


主人公の陽子は中学二年生で、一つ年下の弟リンがいます。
都心で印刷所を持っている両親は仕事が忙しく、
姉弟だけですごす時間が長かったせいか、
二人はなにか面白いことを考え付くのが大好き。
ある月夜の晩に屋根の上を気持ちよさそうに歩く猫を見て、
陽子は新しい遊びを思い付きました。
それは、真夜中にこっそり、よその屋根にのぼること。
ふたりだけの秘密の遊びだったこの<真夜中の屋根のぼり>に、
あたらしい仲間が加わることになって……
という風にストーリーは進んでいきます。

なぜ陽子は<真夜中の屋根のぼり>のような遊びを思いついたのか。
物語の最後でこう述べています。

 一番しんどいときはだれでもひとりだと知っていた。
 だれにもなんとかしてもらえないことが多すぎることを知っていた。
 だからこそ幼い知恵をしぼり、やりたいようにやってきた。
 十四年間、あの手この手で生み出してきた、リンとの遊び。
 そのくりかえしのなかで、わたしはたしかに学んだのだ。
 頭と体の使い方次第で、この世界はどんなに明るいものにも
 さみしいものにもなるのだ、と。
 宇宙の暗闇にのみこまれてしまわないための方法だ。


そして、この方法に加えあらたな光を与えるような
陽子の元担任の先生の言葉がきわめて秀逸です。

  ぼくたちはみんな宇宙のみなしごだから。
  ばらばらに生まれてばらばらに死んでいくみなしごだから。
  自分の力できらきら輝いていないと、
  宇宙の暗闇にのみこまれて消えちゃうんだよ。

  でもさ。 
  でも、ひとりでやってかなきゃならないからこそ、
  ときどき手をつなぎあえる友達を見つけなさい。
  手をつないで、心の休憩ができる友達が必要なんだよ。



このフレーズを読んで谷川俊太郎の詩「二十億光年の孤独」を思い出しました。

 万有引力とは
 ひき合う孤独の力である
 宇宙はひずんでいる
 それ故みんなもとめ合う

孤独とはもとめ合う力です。
あなたがひとりぼっちであればあるほど、
あなたは多くの人とつながることのできる可能性を持っています。

「宇宙のみなしご」であることを悲しむ必要なんて
どこにもないんだということをこの本を読んで一番強く感じました。


posted by どぅー at 00:54| Comment(10) | TrackBack(1) | 本よみの虫干し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
森絵都は『アーモンド入りチョコレートのワルツ』もオススメです。特に2番目のお話が私は好きです。
『宇宙のみなしご』はまだ読んだことないので、今度読んでみます♪
その前に『風に舞いあがるビニールシート』を読もうかと思ってます。
Posted by ゆま at 2006年09月18日 03:34
人は一人で生きれるモノでもないし、一人で生きているモノでもない。ですかね☆
私は屋根に上って寝たいですww
Posted by みにまむ苺 at 2006年09月18日 21:59
私も森絵都はほとんど読みました!「宇宙のみなしご」はほんとにその年頃に読んでたので、すごく共感しました。今も大好きです。あとは、「カラフル」「DIVE!!」「永遠の出口」・・・やっぱ全部好き(;´▽`A
なんか、さみしいのは変わらないけど、重い荷物をちょっと一緒に持ってくれた、みたいな気分になります。
Posted by てぃぷよ at 2006年09月21日 21:52
ゆまちゃん、今日『アーモンド入りチョコレートのワルツ』を買って読みはじめました。
相当はまってます。

『風に舞いあがるビニールシート』も文庫になったら買います☆
Posted by どぅー at 2006年09月21日 23:10
みにまむ苺さんへ

僕はもう秋ですが、
夏の星座にぶら下がって
上から花火を見下ろしたいです。笑
Posted by どぅー at 2006年09月21日 23:38
てぃぷよさんも森絵都さん大好きなんですね。
コメントすごい嬉しいです。

『さみしいのは変わらないけど、重い荷物をちょっと一緒に持ってくれた』
って、まさにそうですね。

僕もせつなさやさみしさの中にたしかな希望の灯火がともる
森さんの物語がとても好きです。

Posted by どぅー at 2006年09月21日 23:47
どぅーの日記はぃっも内容が知的すぎて難しぃ( ´ノω`)コッソリ
Posted by モモ at 2006年09月24日 15:46
モモさん、コメントありがとう!!

それじゃあ、もう少し恥的な内容になるようにするよー。笑
Posted by どぅー at 2006年09月25日 01:10
どぅーは何時も人間の儚さや切なさを謳った本を読んでいるね。

人間一人の力なんてたかが知れている。だからこそ、背伸びなんかせずに等身大で生きたいと思う今日この頃です!!
Posted by Faster at 2006年09月25日 02:50
Fasterへ

コメントサンキュー♪

自分のことって過大評価したり逆に過小評価しすぎたりして、
なかなか過不足のない自己認識って難しいよな〜。

ほんと等身大って大事だね!!
Posted by どぅー at 2006年10月02日 23:39
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