私がめざすのは、
  日本を元気と生きがいのある社会にすること。
  そのためには、あらゆる世代の人々が自分に合った医療や治療法を
  気軽に安心して利用できることが必要です。 
  自立的な健康を手に入れ、生きがいのある仕事と充実した生活を共存させ、
  生き生きと人生を楽しんでいること。
  私はそんなネットワークを創りたい。

  それを実現するためには、『がんばらない、でも、あきらめない』ことが肝心。

  『がんばらない』とは、一生懸命にならないことではなく、
  自分の気持ちや身体からのメッセージを無視してまで
  「仕事」や「他人」を優先しすぎないこと。

  それさえ気をつけて夢をあきらめなければ、
  『本当にどんなにつらいことでも、
  それが正しい道を進む中での出来事なら、
  峠の上りも下りもみんな、
  本当の幸いに近づく一足ずつなのだ』

2006年11月04日

いのちはプレゼント〜ぼくは18トリソミー

先週、中高時代の友人で看護師をしている子から
『いのちはプレゼント〜ぼくは18トリソミー〜』
という素敵な本を借りました。

いのちはプレゼント.jpg

写真の子は友人の勤める病棟によく入院する18トリソミーの患者さんで
名前は凱晴(かいせい)くん。
かいくんは今2歳だそうですが、この本は、お母さんがかいくんを妊娠、出産して、
1歳になるまでを描いた絵本です。

この『18トリソミー』は遺伝子の異常で起こる約1万人に1人の難病で、
多くは死産、産まれても90%は1歳を迎えることはできないそうです。
そのため、積極的な治療をしてもらえないこともあります。

けれど、お母さんはかいくんの「生きたい!」という想いを受け止め、
出産し、24時間の在宅介護を家族で行う覚悟を決めました。
そして、かいくん自身もまた小さな体で必死に生きようとする頑張りは
奇跡を起こします。

家族みんなでその小さないのちを守ろうとする姿はとても感動的です。
とくにお母さんのかいくんへの気持ちは絵本の題名である
“いのちはプレゼント”
という言葉に一番込められているように僕には思えます。

プレゼント≪present≫には“贈り物”と“現在”という二つの意味があります。

プレゼントとは、
人から、人に与える、
かけがいのない“贈り物”のこと。

プレゼントとは、
過去でもなく、未来でもなく、
かけがえのない“現在”のこと。

そのことをかいくんの“いのち”を通じてお母さんは
心から感じているのではないでしょうか。

ひるがえって、僕たち自身は
自分のいのちをかけがえのない≪贈り物≫として
≪現在≫を生きているのか。
過去や未来に生きてはいないでしょうか。

過去のことをふりかえり、
教訓をみいだすのは、
賢明なことです。
しかし、過去を生きるのは、
賢明なことではない。
それは現在の自分を否定することだから。

未来のことを考え、
準備をすることは、
賢明なことです。
しかし、未来を生きるのは、
賢明なことではない。
それも現在の自分を否定することだから。

そして、自分を否定することは、
何よりも大事なものを否定することです。
(スペンサー・ジョンソン『人生の贈り物』より抜粋)


ふだん僕たちは“いのち”や“死”に思いをはせることはあまりありません。
もちろんそれは自明のこととして十分承知してはいても、
目の前のことに取り紛れて改めて考える余裕がないのかもしれません。
もしかしたら、考えたくないのかもしれません。
誰でもいつか死ぬし、いつ何が起こるかわからないという、
生の危うさ、脆さ、はかなさを思い起こしたくなくて…。

それでも、時はいやおうもなく過ぎていくし、
人は生きていかねばなりません。

それならば、
いま現在あるがままの自分をかけがえのないプレゼントとして
受け入れることで湧いてくる勇気や元気があると思います。

現在の瞬間こそが経験できる唯一の現実であるし、
“いのち”とは、自分が使える時間のことを指すのだから。

この絵本は小さな一つの命からそうした大切なメッセージを心に届けてくれます。

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posted by どぅー at 20:53| Comment(17) | TrackBack(1) | 本よみの虫干し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おわ!!!素敵に書いてる〜。びっくり!!!なんか嬉しい(*^^*)
今現在を生きるって本当に難しいよね。
あたしは過去や未来に気を取られちゃう。
過去を少し振り返ったり、未来を思い描くことも必要。
でも今をちゃんと大切にするって、実はできてないなーっていっつも思います。
もったいない。大切にしよぅっと。
Posted by sato at 2006年11月04日 22:37
未来は『今』の積み重ねから出来ていますからね。
やっぱり、今、現在の生活を大切に過ごさなければいけないなぁって私も思いました。
ありがとうございます。
でも、不平不満を言ったりして、大切なことがすぐ近くにあるのに気がつかない人がいます。
自分の受け続けた傷が痛くてその中でずっともがいている人がいます。
なんで気がつこうとしないんだろう?
なんで人を分かろうとしないんだろう?
生きているからこその大切さに気がつけば、人を許すことだって出来るかもしれないのに。
苦しみの中で生きる辛さも良く分かるので、全てを責めることも出来ません。
私は今日も心がつかれました。

一日の終わりにいい話を聞けて良かったです。
ありがとう。
(愚痴っちゃってごめんなさい。。)
Posted by ぱあやん at 2006年11月04日 23:09
小さな子供を救う小児科の医師が少ない事が徐々に社会問題になっているのに!・・政府は本腰を入れない!・・金儲けに走る、美容整形医師が多い事!!
・・世の中オカシイわ!!・・(^_^;)・・
Posted by ごとちゃん at 2006年11月05日 10:13
難病の人にとって今現在の重みというのは計り知れないほど大きく感じられるんだろうな。
仰るとおり、過去や未来に縛られず、目の前の風景を大切にしていきたい。
ときどき、頭モミモミしないと視野が狭くなってしまうから。
Posted by かわしー at 2006年11月05日 11:42
さとちんへ

こちらこそ、貸してもらってどうもありがとう!
今が一番大切って分かっていても壁にぶつかると、
どうしても思いどおりにいかなかった過去を悔やみ、
どうなるかわからない未来を思い煩っちゃうんだよね。
何度も、何度も、同じ失敗を繰り返しながら
少しずつ身についていくものなんだろうな〜。
Posted by どぅー at 2006年11月05日 16:28
ぱあやんさんは人の痛みや苦しみに思いをはせることができる
やさしい人なんですね。
他人のつらさを自分のつらさのように感じてしまうことは、
けっして楽しいことばかりではないと思いますが、
あるがままの自分を受け入れることが現在を大切にすることなのかな
と最近感じています。

Posted by どぅー at 2006年11月05日 17:17
ごと叔父さんへ

小児科医不足問題には、
@研修制度改革による医師の偏在・地域格差
A小児科医の3〜4割を占める女性医師への環境改善
B小児ケアの大変さに見合わない診療報酬
と大きく分けて三つの課題があるようです。

ごと叔父さんの仰るように政府に早急に制度作りを促すためにも
僕たち自身が問題を認識して声をあげなくていはいけない事柄なんだと思います。
Posted by どぅー at 2006年11月05日 17:32
かわしーへ

僕らにとっては、ぶちあたる困難が現在の重みを感じさせてくれるんだろうね。
そうなると問題にとらわれすぎて視野が狭くなっちゃうこともあるかもしれないけど、
その瞬間の風景を楽しむ余裕は持っていたいよな☆
Posted by どぅー at 2006年11月05日 17:39
小児科医は見てても大変そうだよ…。
ほぼ全系統の疾患(難病含む)診なきゃいけないし、その分知識も技術も必要、
子どもだから何かするにもリスクが高いし、親は必死だし対応が大変…。
頭があがりません(><)
Posted by sato at 2006年11月05日 18:32
さとちんへ

仕事はきつくて大変なのに、他の科に比べて収入がよいわけではない。
子供の心のケアや子育て相談なども取り組むべき課題だけど、
時間がかかるばかりで報酬には結びつかないとなると、
小児科医が減っていくのは避けられないと思う(><)

現在、小児科に勤務している医師や看護師の子供が好きという気持ちと、
未来ある子供の命を助けるという誇りにはほんと尊敬だよ。
その気持ちや誇りを大切にしながら、子どもたちにまっすぐ向けられる
環境や体制作りっていうのは将来の自分たちのためにも必要だよね。
Posted by どぅー at 2006年11月05日 19:26
足あとがあったので来てみました☆
私は小児科の看護師を目指している大学生です。
何か色々考えさせられました(>_<)今をもっと大切に生きようと思いました。
Posted by ゆき at 2006年11月05日 20:42
ゆきさんへ

コメントどうもありがとうございます☆
小児科の看護師を目指されているんですね。
ゆきさん自身と子どもたちの笑顔のためにぜひぜひ今を大切にしてください♪
Posted by どぅー at 2006年11月05日 20:58
小さな命を救う!・・これが本当の意味で「美しい日本を作る」事につながるのにね・・難産で緊急手術が必要になってが受け入れ先病院がなく、5〜6時間放置され、その後大阪まで移送された妊婦さんが死にました。・・そんな奈良県なんて、安心して子供が産めませんね!・安心して子供が産めて、安心して子育てが出来る環境を作らないと、次の日本が危うくなりそうです。
Posted by ごとちゃん at 2006年11月07日 09:57
良心的な医師もいるのに、自由に動けない。もっとA真剣に取り組んでいきたいですね、ナンにせよ!
どぅーさんの日記沢山の人に読んで欲しいなぁ。。といつも思ってます☆
Posted by みにまむ苺 at 2006年11月07日 14:06
ごと叔父さんへ

本当にこれはやるせない事件ですよね。
虚勢や美辞麗句ばかりでなく未来のために今を変えていく姿勢も必要だと強く感じます。

乳幼児救急や病児保育。
当事者になる可能性があり、解決しなければならない問題ですよね。
Posted by どぅー at 2006年11月08日 07:52
みにまむ苺さんへ

医師の地域や診療科目による偏在は研修制度や診療報酬など
国・政府が携わる制度面の事情も大いにあると思うのですが、
苺さんのおっしゃるように僕たち自身も真剣に考えて
取り組むべき問題だと思います。

たくさんの人に見てもらうのも光栄ですが、みにまむ苺さんのように
素敵な縁でつながってコメントで意見を頂けることもとっても嬉しいです(*^_^*)
Posted by どぅー at 2006年11月08日 08:02
足跡から失礼します。小児科の開業医に勤めて13年になる50台の看護師です。どぅーさんのように若い方が小児医療について真剣に考えていらっしゃることに感動しました。これからも時々寄らせてくださいね。(*^_^*)
Posted by ろば at 2006年11月17日 11:42
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